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KAMIHATA世界紀行

第2回ボルネオ島 ボルネオ島旅行記~幻のミミナシオオトカゲを求めて~

ミミナシオオトカゲ、その実態に迫る-環境データ-

  • 続いて、1頭目のミミナシオオトカゲが見つかった環境データは以下の通りです
    気温:28℃
    湿度:78%
    水温:25℃
    発見場所:ジャングル内の、北向きの斜面に位置していた長さ4mほどの渓流
    発見状況:水中
    発見日時:2012年11月26日、午後9時16分
    ミミナシオオトカゲの見つかった環境はジャングルの渓流でした。僅か4mほどの、実に小さな渓流です。過去の発見例は水田や河川などが多かったのですが、それらはおそらく大雨によって流されてしまった個体と思われます。今回の発見場所は、他から隔離された水場であるため、発見された場所周辺がオリジナルの生息環境であると考えられます。

  • ミミナシオオトカゲがいた小さな渓流

    ミミナシオオトカゲがいた小さな渓流

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ミミナシオオトカゲ、その実態に迫る-発見場所、及び周辺の環境-

 まず、発見場所となった渓流ですが、北向きの緩やかな斜面に位置しており、4mほどの長さしかなく、幅は約50cm(狭いところで約10cm)。水深は約10cm~15cm。水流は緩やか。渓流の周辺は自然の石や岩が転がっており、その上に地衣類が生えていました。あまり強い日差しは届いていないように思われます。水源は定かではありませんが、2つの岩の間から少量の水が土壌内から流れ出ているようであり、そう簡単に枯渇する事は無さそうでした(周りの土が水で削られており、崖状になっている。また、水底は細かい砂でおおわれており、おそらく長い年月をかけて、水が小石や岩を削った結果)。もちろん、その場所(水中)に他の動物がいないかどうか調べてみましたが、目に見える範囲では何も生息していませんでした。ちなみにミミナシオオトカゲの発見された渓流から一番近い水場まで、およそ300m。周囲にゴムノキやパイナップルなど人為的な植物は見当たりませんでした。おそらくここがオリジナルの生息地でしょう。
 しかし、やはりここでも疑問が残ります。発見場所周辺がオリジナルの生息地だとしても、こんな小さい水場だけでミミナシオオトカゲが生きていけるでしょうか?他の場所へ向かっていた、移動中の個体だったのでしょうか?それとも、普段は地中に潜んでおり、夜間は水場へと移動するのでしょうか?

  • ミミナシオオトカゲ

    渓流を歩くミミナシオオトカゲ

  • ミミナシオオトカゲ

    落ち葉の下に潜るミミナシオオトカゲ

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周辺の動物

  • ミズベトカゲ

    ミミナシオオトカゲと同じ森で見つかったミズベトカゲ

  •  時間が無くてかなり荒削りな方法でしたが、一応、周辺(発見場所から約100m)に生息する動物を調べました。その結果、無脊椎動物ではミミズやナメクジ、コオロギ、カマドウマ、ゴキブリ、モリバッタ、ナナフシ、カマキリ、カメムシ、クロツヤムシなどが特に多く見られ、脊椎動物ではネズミの仲間、スキンクの仲間(Sphenomorphus属Apterygodon属)の仲間が少数見られただけでした。また、ミミナシオオトカゲの生息地域には、大形の肉食動物は多くないようです。おそらく天敵は、先述したデュメリルモニターとコブラの仲間(アマガサヘビ属Bungarusやフードコブラ属Naja、彼らはトカゲを始めとした爬虫類を捕食します)、大型の鳥類ではないかと思うのですが、周辺の地元民に尋ねても、コブラはあまり見かけないということでした。また大形の鳥類も生息地ではほとんど見かけませんでした(海岸沿いや市街地では見かけました)。

ミミナシオオトカゲ、その実態に迫る-その4->>

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