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KAMIHATA探検隊

カミハタ探検隊 in MYANMAR 「仏の国の聖なる川で新種を追う!」
text & photo/神畑重三 協力/神畑養魚(株)

+++ Vol.5 +++

「仏の国の聖なる川(イラワジ)で新種を追う。」

仏の国ミャンマー。そこにある聖なる川と呼ばれるイラワジ川。神秘と新種に満ちたこの土地でいったいどんな魚に、人達に出会えるのだろうか・・・。


仏を飾る極彩色のイルミネーション

ヤンゴン市内に戻って、ペット・ショップの一軒を訪れた。タウンジーでは見かけなかった背中の赤いサンショウウオもいれば、愛らしい顔の5cm大のウミガメの子が1ドルそこそこの安値で売られている。背中に丸い輪の斑点を持つスッポンは初めて目にする代物だ。

そのあと、公設の水族館に案内してもらったが、屋外の大きな自然池でデルモゲニーやバンブルビーが群れをなして泳ぐ様子が私には珍しかった。ここにも足場がなく、網が入れられず、採集を断念した。

夜になって有名なジェンダゴン・パゴダに赴いた。真っ黒な夜空にライト・アップされた高さ100mの黄金のパゴダが浮かび上がる様子は壮観である。日曜の夜ということもあって、1000人近い敬虔な老若男女の仏教徒で広い院内がごった返している。ミャンマーの国民の9割が仏教徒の国であることを改めて実感させられる。

■チャイティーヨーパゴダ。指で押したらグラグラ揺れる

■チャイティーヨーパゴダ。指で押したらグラグラ揺れる

■仏像の目線はいつも下を向く半眼

■仏像の目線はいつも下を向く半眼

ミャンマーの暦は水曜日が午前と午後の2日に分かれた週8日制で、それぞれの曜日にはシンボルの動物が決められ、土曜生まれは竜、木曜なら鼠といった具合だ。日曜生まれは欲深で、金曜日は話好き、火曜日は正直といった取り決めもあり、自分の生年月日以上に、生まれた曜日が大切にされ、結婚のさい、両者の相性を非常に重要視している。院内にある自分の生まれた曜日のコーナーへ行ってお祈りをすると願いが叶うとされている。

今から2500年前、シャカが悟りを開いた49日目、モン族の商人に与えたというシャカの頭髪が祀られるパゴダの頂上部には、巨大なダイヤモンド、ルビー、サファイヤなど、5000個もの宝石がはめこまれているとか。また、歴代の王は自分の体重と同じだけの黄金をパゴダにはりつけたとも。その黄金は指ほどの厚みがあるそうだ。

驚いたのは、仏様を飾る電気のデコレーションで、原色の赤・青・黄の極色彩のイルミネーションが点滅したり、ぐるぐる回ったり、模様を浮き出したり消えたり、これで軍艦マーチでも流れていれば、まるでパチンコ屋だ。日本の仏壇のような線香臭さや静寂さをみじんも感じさせない。太陽がさんさんと照る常夏の国では、仏教まで陽気になるらしい。ミャンマーは寛容な日本の大乗仏教と違って、戒律に厳しい小乗仏教のはずだが、仏教にもいろいろあるものだと妙に感心させられた。

■目もとが涼しい小坊主さん
■目もとが涼しい小坊主さん

最後の晩餐にはウォン中佐を招待した。話題はもっぱらこの国の湖に棲む魚のことで、これまで人がほとんど訪れていない北部インドと中国との間にあるインドゥジー湖には珍しい魚がいるという情報を中佐から耳にした。もしわれわれが行くつもりなら、軍の車と宿舎を提供して便宜を図ってくれるとも言い添えてくれた。ウォン中佐のおかげで、今回はまさに大名旅行みたいに恵まれた旅であったが、初めて女子探検隊を組んだこともあって気を遣ったが、無事帰国の途についたときには正直ほっとした。

秘境での魚採集の成否は、魚に詳しい現地のガイドが得られるかどうかが1つ、もう1つは、政府や警察に人脈のコネをつけ、その協力が得られるかどうかの2点にかかっている。

■コオンという噛みタバコの店。注文に応じて作ってくれる ■芋虫の油いため。けっこうなお味です
■コオンという噛みタバコの店。注文に応じて作ってくれる ■芋虫の油いため。けっこうなお味です

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